20190215

「最近いつもボーっとしていましたし、ばちが当たったんだと思います。」、そう私が応えたら先生は凄く大袈裟に笑ったのでびっくりした。びっくりはしたけれど、なんか少し気がラクになった。先生は私に「そんな風に思えるんだったらいいね。笑ってごめん、なんかもう可笑しくて。」と言って棒付きの飴をくれた。駄菓子屋にあるような大きい透明の容器に入ったそれを一本貰い、私は研究室を後にした。

別に凹んでいたわけじゃない。全く凹んでいないと言ったら嘘になるけれど。思ったよりショックではなかったし、落ち込んでいなかった。そんな自分が可笑しくて不思議な感覚だった。大学なんてもう辞めようかな、と毎日のように思っていたけれど辞めようにも辞められなかったのでいいきっかけができたくらいにしか思っていなかった。結果、別に留年する事もなく、取得しようと思っていた資格が取れなくなる訳でもない。大学は引き続き続ける、みたい。

「別に看護師にならなくていいよ。でももうここまで来たし資格はあったほうがいい。またそれから考えればいいよ。」

分かってる。分かってる。そうだ。資格さえ取ってしまえばいい。何処へでだっていける。困ることなんてない。そう言い聞かせてる。だから分かってる。だけどたまにどうしようもなく辛くて、苦しくて仕方なくなる。多分大学がどう、とかそんなんじゃないんだと思う。そもそも逃げるようにこの大学に入った。多分どこでも良かった。目的があったのかよく分からない。忘れた。意味が無い。意味の無い毎日。毎日消化不良で胃もたれ

やっぱり辞めます、と言えば良かったのかな。このまま眠ってしまいたいと思いながら、久々にお酒を飲んでいる。飲みながら17歳だった時の頃を思い出した。学校嫌いで殆ど学校に通わなかった私の10代。余白が多すぎた私の今までの人生。ようやく始まるんだ、と思った18歳の春。

大丈夫だと言い聞かせてる。もう誰かの顔色を窺わなくていいから。全てのことは、自分で決める。そして全ての責任は自分でとる。大丈夫、どれだけ落ちても息はしているし普通に明日の朝バイトに行っているのだから。

 

Fin.